2020.12.05
白鞘
お持ち込みの御刀に誂えたハバキと白鞘
【白鞘】は『休め鞘』とも言われ、御刀を保管するための外装です。ご存知の通り、空気中に鉄を放置しておくと錆びます。これは、鉄の分子と酸素が結びついて化学反応(鉄がイオンとして水に溶け酸化)を起こす事によるものです。この錆びさせる力を酸化力と呼びます。空気中の、水分濃度(湿度)、塩分濃度、放射性物質濃度が高いほど、酸化力は増大し、より錆びやすくなります。また、急激な温度変化等も錆の原因になります。そこで、刀の錆びを予防し、最高のコンディションで保管するために開発されたのが【白鞘】です。正しく高精度に製作された白鞘は、適度な機密性を保ちつつ、空気中に含まれる錆の原因物質をシャットアウトし、湿気を遠ざけ、温度変化を和らげる事で、刀の錆びの発生を抑制し、最高のコンディションで保管する事が出来ます。なお、白鞘は、あくまで保管用であり、戦闘で使用するための物ではありません。実際に白鞘入りの御刀で打ち合えば、すぐに柄が割れます。これは、メンテナンスのため、あえて割れるように造られているからです。ヤクザ映画等では、白鞘入りの日本刀を振り回すシーンが見られますが、全く現実的ではありません。白鞘製作において、重要なのは、まず第1に、最適な木材を用意することです。白鞘に適した木材は、木の種類や大きさだけでなく、伐採場所の標高、樹齢、日当たり、採取部位、採取する季節等がとても重要です。木材採取後の寝かせ方や寝かす期間等も重要です。厳選した素材から生成した材料を用いて、正しい工法、および正しい設計で、精度の高い白鞘を造ることで、はじめて白鞘本来の性能が発揮されます。材料の選定基準や、手間のかけ方によって、性能や価値に、大きな差が発生します。第2に重要なのは、刀身に合わせた絶妙かつ精密な掻き入れ加工です。刀身を納めた状態においては、刀身の差し表と差し裏と刃部が、鞘の内部で極僅かに浮いた状態になるように加工する事が重要です。その上で、刀身を滑らかに抜き差し出来るようにする事と、鞘をぴったり閉じられるように高精度に成形する事が重要です。どのような御刀にも、最良の形で納められるように、最適な掻き入れ加工を施す事が重要です。第3に重要なのは、無駄に厚みを持たせることなく、刀身に合わせたベストな厚みで、姿の良い、柔らかな光沢を持たせた美しい白鞘を造る事です。肥後虎の真剣部門での白鞘工作は、国内トップクラスの技術力を誇る鞘師(無形文化財クラス)が手掛けており、素材、性能、品質、精度、美しさ、価値、すべてにおいて最高レベルの鞘を製作しております
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